予防歯科 ~定期健診(虫歯と歯周病のコントロール)~
定期検診

当院のクリーニングの様子
予防歯科では、むし歯や歯周病になってから治療するのではなく、それらの病気を予防するためのケアを行います。
従来の「痛くなったら歯医者さんで治療する」という考え方とは異なり、「お口の健康を維持する」「産まれてきた赤ちゃんをむし歯にしたくない」などを目的として、定期的に歯科医院を来院される患者さんがここ数年で非常に増えています。
「治療をしたはずの歯が何度もむし歯になってしまう」「ブラッシングをしているはずなのに、むし歯になりやすい」「口臭が気になる」といったお悩みがある方には、クリーニングにより歯肉の中に隠れた歯石やプラークを除去することで、さまざまなトラブルを未然に防ぐことにつながります。
病気になってから治療をしたとしても、失ってしまった歯や歯ぐきは元には戻りません。だからこそ、しっかりと予防していくことが大切です。
当院では専任の歯科衛生士が3ヶ月に1度、歯科医院でお口の清掃をすることで、むし歯や歯周病からお口を守り、生涯ご自分の歯で噛めるようにするためのお手伝いをいたします。
虫歯・歯周病で歯を失いたくない!
「年をとったら(老化現象で)歯は失われていくものだ」と思っておられる方がたくさんいらっしゃると思います。実際に今の日本の現状ではその通りです。
厚生労働省による平成23年歯科疾患実態調査では、80歳の方の平均残存歯数はたったの9.8本しかありません。年々、歯の残存数は増加していますが、日本に次ぐ世界第2位の長寿国スウェーデンの80歳の歯の残存数は、20本と日本の2倍近い数字です。
各国の80歳の平均残存歯数
では、予防先進国はどのようにして、歯を残しているのでしょうか?
その答えが1~3か月に1回、定期的に歯科医院でメインテナンスを受けることなのです。欧米では、治療ではなく、このメンテナンスに力を入れたことによって、国民の平均残存歯数が飛躍的に向上したのです。
「メインテナンスで歯科医院に行く」が常識の欧米諸国
スウェーデンでは、常に幼い頃から予防歯科を受けて歯を大切にしており、歯医者さんには治療のためでなく、歯の汚れを除去し、歯や歯肉の健康チェックという予防のため(メインテナンス)に行くのが当然と考えられています。これはアメリカやヨーロッパ各国も同じです。
一方、次のグラフを見るとわかるように、日本人のメインテナンス率はわずか2%です。
予防に対する考え方の違いが、同じ長寿国でもしっかりとした歯を持ち続けるスウェーデンの人たちと、私たち日本人との大きな差になって現れています。
各国のメインテナンスを受けている人の割合
以下のグラフのようにメインテナンスをきちんと受けた方と受けなかった方とでは80歳になったときに約9本もの差がついているのです。
贅沢な時間を!!
定期健診はあなた自身の健康管理のためにご活用してください。健康な状態を維持増進したいあなたのセルフケアの成果をチェックし、また次回の定期健診までの励みにするのもひとつの方法です。
また、歯科衛生士による専門的なクリーニングはうとうとするほど気持ちよく寝息を立てられる方もおられます。美容院に行くように滅多にない、あなたのための時間を快適に過ごしていただけるでしょう。
何も悪いところがないのに、ある意味贅沢なようですが、悪くなってから痛い思いをして治療するのに比べればはるかに経済的です。
虫歯と歯周病のコントロール
歯周病のコントロールは、家庭で自分自身で行なうセルフケア(プラークコントロール)と個人のリスクに応じた定期健診の受診の二つがあってはじめて効果的になります。
そのどちらもが直接的な原因となるバイオフィルムを破壊し、取り除くことですが、プラークコントロールは歯科医院で定期的に専門家の清掃を受けなければ確実ではありません。
なぜなら、磨き残し部分や歯茎に隠れた部分、歯ブラシの届かない部分から病気は進むからです。
特に歯ぐきの溝に棲みついている歯周病菌は、12~16週間で歯周病をを発生させる状態になります。
そのため、歯周病のリスクの高い人は1~3ヶ月毎の専門的なクリーニングが必要となります。
熟練した技術が必要な見えない部分の歯石を除去します。
歯石そのものは歯周病の原因ではありません。問題なのは歯石のざらざらした表面につくバイオフィルムです。
深い歯周ポケットのある歯周病のコントロールでは長い時間をかけて歯根を探り、ざらざらの歯石を見つけて、そこにこびりついたバイオフィルムごと除去する作業を繰り返します。
この作業は指先の感覚で歯石を一番深いところを探り当てて、刃先に力を集中する、とても根気の要る作業です。
歯ぐきを傷めず、歯根も削らないようにするには高度な熟練を要します。
贅沢な時間
定期健診はあなた自身の健康管理のために活用してください。健康な状態を維持増進したいあなたのセルフケアの成果をチェックし、また次回の定期健診までの励みにするのもひとつの方法です。
また、歯科衛生士による専門的なクリーニングはうとうとするほど気持ちよく寝息を立てられる方もおられます。美容院に行くようにめったにない、あなたのための時間を快適に過ごしていただけるでしょう。
何も悪いところがないのに、ある意味贅沢なようですが、悪くなってから痛い思いをして治療するのに比べればはるかに経済的です。
人生のステップに合わせた予防・メンテナンスプログラムについて
専任の歯科衛生士によるサポート
当院は、むし歯や歯周病になってから治療するよりも、お口の健康を維持することで「むし歯や歯周病にならないことがベスト」と考え、「予防」に力を入れています。歯が生えはじめた赤ちゃんからお年寄りまで、全ての方が対象です。
そこで、専任の歯科衛生士による、人生のそれぞれのステップに合わせて、年齢別に4つの口腔全体の予防プログラムをご用意しております。患者さんのお口の健康をサポートするため、むし歯や歯周病の効果的な予防についてご説明し、ブラッシング方法、ご自宅での注意点など、治療後のお口の健康もしっかりと支えていきます。年齢とともに変わっていく健康状態とライフスタイルに合わせて、しっかりセルフケアができるようになりましょう。
【定期検診プログラム】乳・幼児期~育つ~
テーマ:丈夫な歯(口腔機能)を創る
●乳歯を守るために
・卒乳を目指す
・間食回数を1日2回に
・虫歯菌定着の抑制2)よく噛む習慣をつける(食育)
・地産地消の食材を使った食事
・バリエーション豊かな食事
【定期検診プログラム】学童期~学ぶ~
テーマ:歯(口腔機能)を鍛える
●永久歯を強くするために
・フッ素塗布歯面塗布、フッ素入り歯磨き剤
・洗口液の使用
・シーラント2)生活習慣を身につける
・適切なブラッシング方法を学ぶ
・よく噛んで食べる
・食事中はTVを消す
【定期検診プログラム】成人期~働く~
テーマ:健康な歯(口腔機能)を守る
●セルフケア(自分で守る)
・丁寧なブラッシング
・歯間清掃用具を使う
・フッ化物配合歯磨き剤を使用する2)プロフェッショナルケア(専門家が守る)
・定期的な健康チェック
・PMTC(歯科衛生士によるクリーニング)
【定期検診プログラム】老年期~楽しむ~
テーマ:歯(口腔機能)を活かす
●お口をさわやかに
・適切な歯ブラシ選びと使用方法
・歯間ブラシの使用
・舌清掃を行う2)よく動かす(機能の維持)
・唾液の分泌を促す
・口腔機能促進