小児矯正 ~床矯正~
歯並びは歯の生え方の問題ではなく、骨格の不正常な発育の問題です。顎が発育せずに小さいままだと、歯は並びきれずに必ず乱れてきます。
また下顎の成長が悪いと前歯が出っ歯のように見え、逆に上顎の成長が悪いと平面的な顔、もしくは反対咬合(受け口)になって下顎が前に出てきます。
ヨーロッパでは骨格の正常な誘導を主眼とした床矯正が盛んです。床矯正とは骨格を正常な状態誘導することで歯並びを改善します。
顎が小さく並びきらない場合は顎を正常な大きさに誘導し、上下の顎の位置が悪い場合はその位置関係を正していきます。
床矯正装置は一種の入れ歯のようなものです。装置本体は入れ歯と同じプラスチックのプレートで成り立ち、その内部にスクリューやスプリングがついた構造になっています。
このスクリューを回すことでプレートが変化し、その負荷がゆっくりと、顎を拡げ、歯を動かし、歯並びをきれいにしていくのです。
床矯正にとって、あごの成長は矯正治療を行うための大切な要素です。
そのため出来るだけ小さいうち(4歳ぐらいから)に床矯正を始めることをお勧めします。
矯正の期間について
歯の移動期間は6ヶ月から1年程で終了するケースが多いです。期間は症例や患者さんの装置の使用量によって変わってきます。
また概ね初期の移動が完了したあとも後戻り防止の為引き続き保定という作業が必要ですし、新たに生えてくる歯に問題があれば同装置にて再び治療を開始する場合もあります。
患者さんの希望や症例によって期間はかなり変化します。
床矯正のデメリットは?
床矯正のデメリットは歯の矯正器具を一日12時間程、装着しないといけないことです。
装着を忘れてしまったり、 個人の歯並びの状態などにより 矯正期間も一定ではないのもデメリットです。
床矯正の治療でのデメリットをまとめると・・・
●取り外しが出来るため、装置の付け忘れや紛失が起こり、治療期間にロスを起こす可能性がある
●慣れるまで、少し喋りにくくなる
●痛みはそれほど感じないが器具が慣れるまで時間が掛る
●プラスチック製の矯正器具なので違和感がある
などです。
床矯正とは抜歯をすることなく、 あごを広げて歯並びを矯正する方法なのですが あごが広がってしまうのでは?
顔が大きくなってしまうのでは?
などの 疑問もあると思いますが、あご自体ではなく、歯槽骨と呼ばれる部分いわいる歯を支えている部分が広がるので顔が大きくなる心配ありません。